『プリニウスの博物誌』ラウレンツィアーナ図書館蔵

  • 2008/04/07(月) 14:51:07

私はこのような写本が、この上もなく好きである。残念ながら読めない。たまに分かる言葉が出てくる程度であるから、読めたらどんなに楽しいだろうと考える。そもそも中世には修道院などで細々と保管されていたものや、イスラム世界の図書館などしか、書物などなかった。キリスト教は教義に合わない書物は人目に触れないよう、隠してきた歴史がある。

しかし、ルネッサンスは科学の進歩であり、古代技術の発見である。イスラム世界が保存してきた古代の技術は、ムスリム達のおかげで書物として保存されてきたのだ。博物誌などは科学的な書物であるが、やはり異教的であろう。古代の神を認めなかった点で、キリスト教は排他的であった。ルネッサンス以降は、古代の神々がむしろ溢れかえるのだから、おかしい。

ルネッサンスの文人達は古代の書物を研究しはじめる。メディチのような富豪は、文人を支援し、図書館を作る。たしか、ヴェネツィアでは文庫本の発明もある。その後、ドイツで活版印刷。誰もが知識を得られる傾向がますます強くなる。

ルネッサンス期の写本などは、それはそれは高価で、というのも文字だけでなく、美しい装幀と装飾がなされているからである。写本装飾家(ルブリカトーレ)とか装飾画家(アツルミナトーレ)とか細密画家(ミニアトーレ)とか、仕事の違いが不明だが、とにかく金の掛かって凝ったものだったのだ。そりゃ素晴らしいに決まっている。日本にはこのような伝統はないが、西洋にはまだまだ残っている。機会があれば見てみたら良いと思う。

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