『small planet』本城直季
- 2008/04/24(木) 10:16:12
初めて写真を見たのは何の雑誌だったか、とにかく衝撃的だった。その後、半年ちょっとしたぐらいだったか、写真集が出されて思わず買ってしまったくらいだ。これは私には珍しいほどの入れ込みようで、こんなすぐに買ったのは、また、写真の作品集など何年ぶりの乱心だろうかと思ったぐらいである。それでもやはり驚いたのだ。ちなみに写真集のタイトルを付けたのだが、出版社が付けているのかもしれなから、彼の作品ということで書く。
風景の写真は商売柄、比較的見なれているし、たまには自身でも撮ることがある。だから単なる風景には興味がない。だがこの写真は風景ではない。誰もが思うジオラマ感は、風景のあるべき距離感や動きが全く消されている。だから全てが目の前にあるようで、指先で触れられそうに感じる。
彼自身は都市の嘘っぽさと表現じているが、固定概念の嘘っぽさと言い換えても良いと考えている。それは見方を変えれば、都市は異なったように見えるのだと、言っている。また、写真の撮り方自体も、こんな撮り方しても良いんじゃないの?と固定概念を打ち破っている。写真を撮れば撮る程、やらなくなる事をやってのけたのだ。だから驚いた。
彼の作品に写るほとんどが人工物に見えるのがまた面白い。当然作家の選んだ構図も素晴らしいのだが、木々や池などさえも人工物になっている。普通は自然の空気感などはなかなか消し辛いし、そもそも多くの作家は活かそうとする。しかし彼は、全く消す事に成功している。都市に感じる自然の、その不健全さをも疑問に感じているのだろう。ある意味手法のインパクトが大きかっただけに、これから先の展開が楽しみである。
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